明治40(1907)年の「癩予防ニ関スル件」制定に始まる我が国のハンセン病患者の隔離政策は、平成8(1996)年に「らい予防法」が廃止されるまで続きました。
平成10(1998)年には熊本地裁にらい予防法違憲国家賠償請求訴訟が提訴され、その判決を契機に国は患者・回復者の方々に謝罪し、名誉回復や社会復帰支援策が採られています。
一方、ハンセン病に対する偏見や差別はいまだに残っています。東京都人権プラザでは、そうした偏見や差別をなくすために、啓発活動を行っています。
今回の企画展では、沖縄出身の版画家・儀間比呂志によるハンセン病を主題とした絵本『ツルとタケシ』の原画展示を通して、幅広い世代に対して、ハンセン病について学ぶ機会を提供します。
チラシ
チラシデータ [PDFファイル/411KB]
会期
2019年8月17日(土曜日)から11月30日(土曜日)まで
(注)日曜は閉室。祝日は開室。
開室時間
9時30分から17時30分まで
会場
東京都人権プラザ 1階 企画展示室
東京都港区芝2-5-6 芝256スクエアビル 1階
交通アクセスはこちら
入場料
無料
展示作品
儀間比呂志 絵本『ツルとタケシ』版画 19点
解説パネル 5点(予定)
関連企画
(1)講演会「病み棄ての戻り道」
- 講師:伊波敏男(作家、沖縄出身、ハンセン病回復者)
- 日時:2019年9月7日(土曜日)14時00分から16時00分まで
- 14歳で発病し沖縄愛楽園へ入所した伊波敏男さん。川端康成との出会いによって、学業を続けることを望み、沖縄愛楽園から脱走。本土復帰前の沖縄から岡山県の長島愛生園内にあった入所者のための唯一の高校“新良田教室”で学ぶ。回復者であることを明かして生きてきた講師が歩んだ“人間復権の旅路”とは。
(2)講演会「ハンセン病と沖縄:沖縄愛楽園から伝えたいこと」
- 講師:金城雅春(沖縄愛楽園自治会長)、辻央(沖縄愛楽園交流会館学芸員)
- 日時:2019年10月5日(土曜日)14時00分から16時00分まで
- 沖縄県には『ツルとタケシ』の舞台である宮古南静園と沖縄島北部、屋我地島にある沖縄愛楽園、二つの療養所があります。『ツルとタケシ』の原画を所蔵する沖縄愛楽園自治会長の金城雅春さんと、2015 年に沖縄愛楽園内に開館した交流会館学芸員の辻央さんを講師に、沖縄に暮らす回復者の今を学びます。
(3)ラジオドキュメンタリーを聞く
- 日時:令和元(2019)年11月19日(火曜日)18時30分から20時30分まで
- ナビゲーター:崎山敏也(TBSラジオ放送記者)
- 視聴作品:
- RKKラジオ「出口のない街:ハンセン病・その証言」(1996年制作)
- TBSラジオ「ハンセン病と戦争:隔離と差別の記憶をどう受け継ぐのか」(2015年制作)
らい予防法が廃止された1996年、熊本の菊池恵楓園を舞台に、家族と絆を断ち切られた回復者が故郷を訪ねる姿を追った「出口のない街」。戦後70年を迎え、東京の多磨全生園の平沢保治さん、佐川修さん(故人)が隔離と差別の記憶を語る「ハンセン病と戦争」。二つの番組から、ハンセン病の“現在”を考えます。
関連企画共通
- 会場:東京都人権プラザ1階 セミナールーム
- 定員:80名、申込み不要(当日先着順)
- 参加料:無料
- 託児保育:無料。要事前申込み(締切は各回の3日前)
- その他:情報保障(手話等)
開室時間の延長
関連企画の前後に展示を見学できるよう、開室時間を延長いたします。
- 日時 2019年11月19日(火曜日)
- 開館時間 9時30分から21時30分まで
作家
儀間比呂志(ぎま ひろし) 1923年-2017年
略歴
版画家。1923年沖縄生まれ。1940年から北マリアナ諸島テニアン島で過ごす。1943年に帰郷し、その後出征。配属先の横須賀で敗戦を迎える。戦後、上野誠に木版画を学び制作活動を開始。沖縄の人々の暮らしなど故郷沖縄をテーマに多くの作品を彫りつづけた。主な作品に『ふなひき太良』(毎日出版文化賞)、『鉄の子カナヒル』(サンケイ児童出版文化賞)、沖縄戦版画集『戦がやってきた』(沖縄タイムス芸術選賞大賞)など。
<外部リンク>
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